敏腕パイロットのドＳな溺愛～離婚するはずが、エリート副操縦士は最愛妻を甘く包んで離さない～

それから一週間後。

今日、大地さんは上海への往復便の乗務を終えて、午後七時に成田空港に帰ってくる。

空港内のオフィスを出るのは午後八時半頃だろう。到着ロビーでの出待ちは時間的に厳しいが、仕事を終えていったん帰宅し、晩ごはんの準備をしてから空港まで会いに行くのなら間に合いそうだ。ひさしぶりに待ち伏せしよう。

いや、私はもうストーカーではなく彼の奥さんなのだから、サプライズと言っていいかもしれない。

喜んでくれるかな。

わくわくしながら予定通りの時間に向かった。

彼は車通勤だから、駐車場の近くで待つ。

五分くらい経ったとき、タイミングよく大地さんがこちらにやって来た。

「大地さ――」

駆け寄ろうとして、とっさに動きを止めた。

彼の腕にあのＣＡさん――新萩さんが絡みついていたからだ。

一瞬、目の前の光景が理解できなかった。

どうして新萩さんが大地さんと腕を組んでいるの？

立ち竦む私に気づいたのは、新萩さんのほうだった。

ふっと口もとに笑みを浮かべ、私の目の前で大地さんに抱きつく。