オフィスラブは突然に〜鬼部長は溺愛中〜
 高木が退職した事により、多少なりとも高木がしていた雑用を誰かがしなくてはならない。そうなると、入社二年目の柚に回ってくる。自分の仕事にプラスされた雑用。急な事に柚の負担は確実に増えた。精神的な平和が訪れたが、増えた仕事を要領良く熟すまでには少し掛かりそうだ。

 普段から、仕事が丁寧な柚のところには、入社二年目とは思えない程の仕事が回って来ている。

 疲れた身体を癒やすこの時間。

 最近は、響との二人の時間に変わっている。

 夜景を見て癒やされている柚の元にいつの間にか寄り添う響。流石に社内で誰が来るかわからないので、一定の距離感は保っているが、気持ちではしっかり結ばれている。

「お疲れ様。体調は大丈夫か?」

「うん。響さんこそ、ちゃんと寝てる?」

「ああ。でも、柚に癒やされたい」

「…私で癒やしになる?」

「柚の存在が癒やしだよ」

 鬼部長と言われている響の甘々発言にはまだまだ照れる。

「今日も遅いんだよね?」

「そうだな。あっ」

「どうしたの?」



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