たぶんもう愛せない
<弥生>
「いつからだったかしら」

あくまでも不遜な態度をとる弥生に不安な気持ちになる。お義父様は今、どんな気持ちなんだろう。これほどまで、人の気持ちを踏み躙る人を許すわけにはいかない。

パソコン画面から証拠動画の一つを再生する。

「ネクタイの事は悪かったよ、でも結婚しているんだ。仕方がないだろ、先日もこの話はしただろ、まだ蒸し返すならもう帰るよ」

「ごめん、怒らないで。今日は何の日か覚えてる?」

「いや」

「恋人記念日でしょ、10年前に初めて一つになった日でしょ」


お義父様は大きく息を吐き、ポケットからスマホを取り出すと何かを操作してから「10年?わたしと結婚した理由は?」と落ち着いた声で話した。

流石に証拠の動画を見せられて、観念したようにふて腐れたような口調で話し出した。

「海くんの三者面談の時に忙しい匠さんに代わって出席して初めて会った海くんに興味が湧いて、何度か会ううちに好きになったの。でも、高校生の海くんと10歳年上の私じゃ匠さんも反対するでしょ?」

「当たり前だ」

「それに、海くんもその時は私には全く興味をもたなかったし、家族になれば海くんも私を意識するでしょ。丁度その頃、子供が産めないということで破談になって、家族を作ることを諦めたとか言ったら、海くん以外の子供は要らないけど海くんに母親が必要だと思っていた匠さんに、私こそ適任だと伝えたら納得してくれたじゃない」

「母親らしいことなんか何もしてこなかっただろう、それに浮気をしているだろうとは思っていたし」

「それでも、匠さんは何も言わなかったでしょ、そもそも私にも興味はなかったものね。でも、海くんのために頑張ったわよ。海くん、受験のストレスで成績が落ちたことがあるの、匠さん知らなかったでしょ」

「弥生さん」

それまで、おとなしく座っていた海が慌てて弥生を制止しようとしたが、弥生は構わず話し始める。

「体力を使わせるわけにはいかないから、毎日私がここに溜まったものを口で処理してあげてたの」
弥生は海の股間を指さしてそう答えると楽しそうに笑った。

「つっ」

海は顔を歪ませる。

「その後は普通にセックスしてたわ、海くん若いからほぼ毎日、でもお手伝いさんが来ているとデキないからそんな時は夜食を届けるふりをしてヤッてたの、でもそのおかけで受験も成功したのよね、ねぇ海くん」

勝ち誇ったような弥生と口元を手で覆う海の二人の反応が対照的だ。
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