たぶんもう愛せない
<焦らす>
コーヒーをドリップしているとオーブンが焼き上がったことを音で伝えた。

「俺が出すよ」
海が皿にピザをのせテーブルに置くとピザカッターで放射線上に切り込みを入れていく。

タバスコとオリーブオイルを掛ける。

「コーヒーじゃなくてビールのほうが良かった?」

「え?」

海の驚いた表情を不審に感じながらもビールを冷蔵庫からとりだしグラスを二つテーブルに置く。

「奈緒、さっきの診察券だけど」

「何?」

「もしかして妊娠した?」

そうだった、カードを取り出そうとして愛レディースクリニックの診察券も一緒に落としてしまい、それを海が拾ったのだった。

「あれは」
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