たぶんもう愛せない
<クスリの在処>
「わぁ〜プリプリ」

先日、お義父さまと話をしていてエビチリが好きだと話したところ、中華ランチにさそってもらった。

フカヒレスープにとろけて、歯が必要のないような豚の角煮、熱々の小籠包と箸が止まらないところに伊勢海老のエビチリがピリ辛のプリプリで幸せな時間を堪能していた。

「本当に、奈緒さんと食事をするといつも以上に料理が美味しく感じるし楽しいよ」

「私の方こそ、ランチに誘ってくださって本当に嬉しいです、伊勢海老のエビチリは初めて食べました、エビよりも濃厚で歯応えがあって美味しいです」

お義父さまは微笑みながら箸をすすめていく。

デザートの杏仁豆腐を食べながら他愛のない話しからご当地のお土産の話になった。

「ご当地のお菓子が好きなんです。働いていた時は、お出かけしたり出張に行ったりした方がお土産を買ってきてくれてそのお菓子が好きだったんです」

「そうだったのか、弥生がお土産はいらないといつも言っているから買ってこなかったんだが、これからは買ってくるよ」

「本当ですか!うれしいです」

「ちょうど日曜日から月曜日にかけて北海道なんだ、何かリクエストはあるかい?」

「三方六が大好きなんです。あとじゃがポックル」

「即答だね。でも、こんな風に喜んでもらえるのは嬉しいものだね」

「月曜日の夕食はどうされますか?」

「そうか、まだ弥生には出張のことは話していないから奈緒さんにも話が行ってなかったんだね。多分、夜遅くなるだろうから月曜日は夕食は用意しなくていいよ。さて、奈緒さんといると楽しくて時間がわからなくなるがそろそろ仕事に戻らないと」

「お仕事頑張ってくださいね、ご馳走様でした」

この後は、いつものスーパーの近くまで送ってもらい、夕食の食材を購入して帰宅した。

日曜日から出張で出かけるなら、土曜日の午前中はなにか動きがあるかもしれない。

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