レールアウト~婚約者に裏切られて彼の弟(生徒)にせまられます~番外編追加
02.直線




「ちょっと、三木(みき)先生見ちゃったよ~」


大きな息を吐き出してあの子に対し頭を抱えていれば、ドアがそっと開かれた。
その隙間から、ぬっと顔を出すのはここの保健室の主。私に留守番をさせた張本人がニヤニヤしながら近付いてくる。



「…(たちばな)先生」

「禁断の恋愛現場、見せつけられちゃね」

「全然、違います」

「へー。いいなぁ」


決して恋愛現場ではないが、見られていたのが橘先生で助かった。
噂なんてされたら教師の立場として大問題になるだろう。



「よくないですよ。それに……橘先生たばこ(にお)いますよ」

「嘘、まだ残ってる?」


なんて、橘先生が右腕に鼻を近付け自身の臭いを確認する。

生徒に煙草の害を教える立場なのに喫煙者だと知られたくないとか、自分で美人養護教諭のイメージがとか言っているのだ。

まぁ、確かに橘先生が綺麗な保健の先生なのは認めるけど。
学校で吸わなきゃいいのに、どうしても我慢が出来ないらしい。





「三木先生。さっきの生徒、2年A組の黒田くんだよね?」






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