レールアウト~婚約者に裏切られて彼の弟(生徒)にせまられます~番外編追加
09.行き先未定


テーブルの上にはチキンやローストビーフ、ピザ、ビーフシチューと華やかな料理が並んでいる。部屋もお花で飾り付けがされていて、今日がクリスマスイブだということに気が付いた。

最近、色んな事がありすぎて、頭からすっかり抜け落ちていたようだ。


といっても、彼は毎年忙しかったから、ロマンチックなクリスマスなんて過ごした事はなかったけど。



「すみません、こんな豪華な料理用意してもらって」

「いーのよぉ。お皿に乗せただけだし。志保ちゃんがいるから、成央くんも太央くんも2人ともこんな時間からいてくれるんだもの!」


おばさまの声は異様に明るいけれど、成央さんの言った通り1人ではいられなかったのだろう。



「志保ちゃん、スパークリング入れるね」

「あ、はい」


目の前のグラスにアルコールが注がれていくけど、すぐ隣に座る彼に目を向けることが出来ない。



「あ、俺もちょーだい」


向かいに座る太央が、成央さんにグラスを出したけど。止める気力さえ沸かない。



「志保ちゃん、美味しいね」

「……はい」


成央さんはいつもと変わらない。それが不思議で仕方なかった。
ふわふわと、宙に浮いて不安定な足元は継続したまま。彼の言葉に小さく頷いた。

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