レールアウト~婚約者に裏切られて彼の弟(生徒)にせまられます~番外編追加
「とにかく、おばさまに見付かったらマズいから早く出ていきなさい」
「兄さんには?ばれていいの?」
「駄目、だけど……」
語尾が弱くなる言葉に、太央が目をパチパチとさせる。
彼に誤解されようが、もうどうでもいいのかもしれないけど……。
「眠らせてあげようか?この間みたく」
「いりません。自分で眠れるから」
にたーっと笑う太央を睨み付けてから、右手に持っていた薬を口に入れて。ミネラルウォーターを口に流し込んで、ぷはっと勢いよく息を吐いた。
「こういうのって、副作用出るんじゃないの?ダルくなったり、昼間眠くなったりさー」
「でも、服薬するしかないでしょう。あなたには分からないだろうけど、睡眠を取らないと次の日に支障が出るのよ」
「うーん、眠れなかったら眠らなきゃいーんじゃないの?ほら、横になって」
両肩をぐいっと持たれて、この子の体の重みで布団の上に倒される。
そのまま、太央が床に両手をついて上から見下ろされる形となった。
「やめてよっ」
「しっ、静かに。大きな声出すと、部屋の外に聞こえちゃうよ。義母さん泣いちゃうかもなー」
「……っ、」
「一緒に住んだら毎日 夜這いできるんだねー。そうしたら、こうやって俺が毎晩寝かしつけにきてあげるのに」
「……!?」
太央の手が私の頬に触れた瞬間、軽いキスが落とされて、啄むように"チュッチュッ"と口付けられていく。