イケメン総長は、姫を一途に護りたい
「万が一のために、薬を持っておいてよかったよ」


プラスチックのケースから出したのは、その持病の症状に効く薬だった。


その薬を飲めば、3分ほどで症状が和らぐ。

そして、しばらくの間、症状を抑える効果もある。


…しかし、その薬には副作用があった。


「飲めば、1時間ほどで体に眠気と倦怠感が表れて、それが数日続くんだよ」


体を動かすのもやっとなほどの眠気と倦怠感のようで、「できることなら飲みたくなかった」と、二階堂さんは続けた。



「打ち合わせの途中だったのに、申し訳ない。今日は、寮に帰らせてもらうよ」

「…はいっ。薬を飲んで、もう30分ほどたちますもんね。早く戻らないと」


わたしは、二階堂さんに付き添いながら寮へと戻った。



途中、生徒会の人や亜麗朱の人とすれ違って、二階堂さんに挨拶する場面が何度もあった。
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