イケメン総長は、姫を一途に護りたい
つまり、管理人さんにとって、やんちゃな男子中学生の面倒を見ることは、赤子の手をひねるくらい簡単なこと。


現に、『門限を破って夜遊びして帰ってきた生徒を、一晩中シメ上げた』…という噂もあるんだそう。


だから、みんな恐ろしくて、門限までには必ず戻ってくるらしい。


「たとえ、女でも容赦ねぇと思うから、咲姫も門限には気をつけろよ」

「う…うんっ」


わたしは、つばをごくりと飲んだ。



そして、いよいよ寮の中へ。


寮は、打ちっぱなしのコンクリートでできた、おしゃれな外観だった。

パッと見る限りでは、とても寮には思えない。


「きれいなところだね」


まるで、デザイナーズマンションみたいだ。


すると、ここから少し離れたところに、同じような建物が見えた。


「千隼くん、あっちは?」
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