総長、私のリボンほどいて。🎀

「…分かんないや」

 大粒の光がノートに(こぼ)れ落ちていく。

 私は両手で顔を覆う。

 お願い。
 誰か、
 心に絡まったリボンほどいて。

「…気分転換に外の風でも吸おうかな」
 私はガタッと椅子から立ち上がる。

 氷雅(ひょうが)お兄ちゃんが起きてるから家からは出られない。

 私は水色にゴールドの星柄がついたカーテンの前に立つ。

 でも一つだけ外に出る方法がある。
 それは…。

 シャッ!
 カーテンを開けリボンで留めると、 ガチャ、と鍵を外す。

 “ベランダに出ること”

 ガラッ。
 私は扉を開けて飛び出した――――。
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