総長、私のリボンほどいて。🎀

 月沢(つきさわ)くんは両目を見開く。

「…違う、よね?」
「ただの噂とか…」

「…星野(ほしの)

天川(あまかわ)くんが嘘ついて適当に言ってるだけだよね?」

「…星野(ほしの)!」

 私の体がびくつく。

 月沢(つきさわ)くんは複雑な表情を浮かべ、自分の前髪に手の平を当てる。
「…あー、時間切れか」

 時間切れ?

「…ずっとバレなきゃいいって思ってたけど、そんなん無理だわな」
「…許してくんないよな」
「…そう、俺は」

 サァッ。
 優しい夏風が吹いた。
 綺麗な白髪がなびく。

 月沢(つきさわ)くんは月のマークに有栖の文字がついた左手の中指の指輪を私に見せる。
 二十六夜の月の闇夜に指輪だけが美しく輝いた。
< 211 / 480 >

この作品をシェア

pagetop