総長、私のリボンほどいて。🎀

「金髪とかイカしてんね」
「今から俺らと遊ばない?」
 銀出冷羅(ぎんでれら)と背中に書かれたグレーの特攻服を着た銀髪の男の子が私に向けて言うと、
 氷雅(ひょうが)お兄ちゃんはキッ! とその男の子を睨み付ける。

「あ? なんだよ、その目はよ」
「こっちは褒めてやってんのに」
「喧嘩売ってんのか? あ?」

 銀髪の男の子はバイクから降り、氷雅(ひょうが)お兄ちゃんの腹に拳をかました。

「がはっ…」
 氷雅(ひょうが)お兄ちゃんはその場で崩れ落ちる。

氷雅(ひょうが)お兄ちゃん!」

「よっわー、じゃあ行こっか」
 銀髪の男の子は私の体を持ち上げ、バイクの後ろに乗せる。

 私は左手で白兎の縫いぐるみを抱きながら右手を伸ばす。
「やっ、やだっ」
氷雅(ひょうが)お兄ちゃん、たす、けて」
氷雅(ひょうが)お兄ちゃんっ!!!!!」

 氷雅(ひょうが)お兄ちゃんは起きて立ち上がると、銀髪の男の子の腹を思い切り蹴飛ばした。
< 233 / 480 >

この作品をシェア

pagetop