総長、私のリボンほどいて。🎀

「え、クリーム入ってる!?」

「お前、甘ぇの好きだろ? 今日は特別だ」

氷雅(ひょうが)お兄ちゃん、ありがとう」
 椅子に座ったままお礼を言うと、氷雅(ひょうが)お兄ちゃんは肩を包み込むように右腕でバックハグしてきた。

 突然のことに頭がパニックになる。

「…え、え、氷雅(ひょうが)お兄ちゃん?」

「…バイト、行って来る。ありす、勉強頑張れよ」
 氷雅(ひょうが)お兄ちゃんは耳元で囁くと右腕を離し、部屋から出て行った。

 ぱたん、と閉まる部屋の扉。

 顔が熱い……。
 今の、なんだったの?

 私はアイスコーヒーを一口飲む。

「甘っ…」

 ……まぁいっか、勉強しよう。
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