Mazzo d'amore
「みゆ来てたのか」

インターバルになり汗をかいた稜くんがこっちに来た。

(かっこよっ!爽やか!かっこよっ!)

なぜだろう…同じ汗でも稜くんの汗なら嗅ぎたいと思ってしまうのわ。

「こんにちは」

「あ…えっと…」

私が挨拶しても名前が思い出せそうにない稜くんに私は改めて自己紹介した。

「あ、稜くんの彼女の妻です」

「おい、気が早すぎるだろっ!つか彼女の妻ってどう言う意味よ!友達の心春ね」

みゆに速攻で突っ込まれてさらっと紹介された。

「ああ!そうそう心春ちゃん!顔はわかってたんだけど名前思い出せなくてごめんね!」

(良かった!稜くんの頭に残ってた!幸せ!結婚してない人が目の前に居る!幸せ!)

私は今まで好きになってた人が既婚者だらけだったので未婚の時点で幸せと頭がバグっていた。

「エクササイズやってったら?」

「うん、そうだね」

稜くんはみゆに助言して再びトレーニングに戻って行った。

「じゃあ、行こうか!」

「うんっ!」

エクササイズって言うからダンスやるのかなって凄い楽しい事想像してた。

「はい!ジャブ!ジャブ!ワンツー!」

パンチ打たされた。

「はぁはぁはぁ…えっと…どこが?エクササイズ?」

「キックもやってみようか!」

「うおおらー!」

バシッ

バシッ

ぐきっ

「……大丈夫ですか?」

「た、多分」

私は限界が来て休んだ。

みゆは凄い楽しそうにパンチやキックをしていた。

心なしか他のトレーニングをしてる男性達もみゆの姿に見惚れてるかのように見えた。
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