Mazzo d'amore
モッキンバード(似たもの同士)
ジムの後、私と菜音くんは久々の再会との事もあり、ご飯を食べにファミレスに寄った。

「凄い久しぶりだね元気してた?」

「うん元気元気」

「格闘技やってるんだねビックリしたよ」

「ほら、親父格闘技やってたしその影響もあってね」

「ああ、そっか!」

「それに……」

「ん?」

「誕生日プレゼントでグローブ貰ったからそれもあって続けれたのが理由かな」

少し恥ずかしそうに話す菜音くんに当時の記憶が蘇った。

小学5年生になる年の4月1日。

この日は菜音くんの家で誕生日パーティーをしようと私は招待されていた。

「こんにちは」

「いらっしゃい」

ニコニコ笑顔の菜音くんのお母さんが迎え入れてくれた。

お部屋に上がるとテーブルの上には沢山の食べ物が並べられていた。

「え、凄ーい!!」

私は大きな骨付き肉に驚き喜んだ。

「うふふ、良かった、喜んでくれて!あとこれ、心春ちゃん好きだよね?」

「うん!」

あと、菜音くんのお母さんお手製のクリームパンが沢山あってそれにも興奮した。

そしてこの日は私も仲の良い友人を連れて来て良いと言われていたので菜音くんの家には男女合わせて8人同級生が居た。

みんなでわいわいと食事をして、その後はゲームなどして遊んだ。

「そろそろケーキ食べようか」

そう言って冷蔵庫から大きなチョコレートケーキが出てきた。

「「ハッピーバースデートゥー、菜音くんと心春ちゃんっ!」」

歌に合わせてケーキに立てられたロウソクに2人息を吹きかけて消した。

「おめでとうー!」

「あはは名前の部分めっちゃ早口」

「2人分の名前だからね」

美味しいケーキに思わずおかわりをしてしまった。

「これ、私から」

「わー!可愛い!ありがとう」

私は同じクラスだった沙羅(さら)から可愛い文房具をもらった。

それを皮切りに次々とみんなが持って来てくれたプレゼントにお礼を言った。
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