(続編)俺について来い〜俺様御曹司は生涯の愛を誓う
それから俺は横溝を社長室に呼んだ。

「久しぶり、元気そうで良かった、専務から活躍をいつも聞かされている、助かるよ」

「いいえ、あのう、社長、日本に戻って来ていたんですね、しばらくは日本にいらっしゃる予定ですか」

「拠点を日本にしようと決めた」

「ずっと日本にいらっしゃるんですか」

この時、横溝はまだ俺への気持ちを諦められずにいた。

たとえ、振り向いて貰えなくても構わないと決心していた。

同じ日本に居られる喜びに胸を膨らませていた。

でも、俺の言葉で横溝は、一気に谷底に突き落とされた気がしたなど思いもよらなかった。

「横溝、俺と入れ替わりにアメリカ支社に行ってくれないか」

「えっ」

「アメリカ支社を任せられるのはお前しかいない」

仕事をバリバリ熟すキャリアウーマンなら、これほどの言葉は嬉しく、やりがいがあると思うだろう。

ところが横溝にしてみれば、アメリカに追いやられる気持ちになったのだ。

「少し考える時間をください」

「わかった、実は静香が入院して手術を受ける事になった、当初は一緒にアメリカに連れて行くつもりだったんだが、

術後にアメリカでの生活は困難だろうと判断し、俺が日本に戻る決意をしたんだ」

「そうだったんですか」

「俺は横溝ならアメリカ支社で統括責任者として立派にやっていけると判断した、だからお前に全てを託そうと決めた、

でもお前の人生だ、ゆっくりと考えて答えを出してくれ」

横溝は社長室を後にした。


< 10 / 36 >

この作品をシェア

pagetop