一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを



「琥珀くんがどうかしたの?」



声の震えに気づかれないように、体に力を入れて答える。


バレたくない。


乗り切らないきゃ。



「アイツとは仲良いじゃん。あの不良みたいな奴と仲良いのになんで俺はダメなの?」


「……遠藤、くん……?」



何かがおかしい。


さっきまで爽やかな笑顔を浮かべていたはずなのに。


今の遠藤くんは何かに取り憑かれたような真っ黒いオーラに包まれている。


怖い。


今すぐにここから逃げたい。


でも、体が動かない。



「ねぇっ」


「……っ!」



両肩を掴まれた。


恐怖に押しつぶされて、声も出ない。


息も上手にできない。


数年前のあの日の出来事がフラッシュバックする。




< 101 / 207 >

この作品をシェア

pagetop