一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを
「琥珀くんがどうかしたの?」
声の震えに気づかれないように、体に力を入れて答える。
バレたくない。
乗り切らないきゃ。
「アイツとは仲良いじゃん。あの不良みたいな奴と仲良いのになんで俺はダメなの?」
「……遠藤、くん……?」
何かがおかしい。
さっきまで爽やかな笑顔を浮かべていたはずなのに。
今の遠藤くんは何かに取り憑かれたような真っ黒いオーラに包まれている。
怖い。
今すぐにここから逃げたい。
でも、体が動かない。
「ねぇっ」
「……っ!」
両肩を掴まれた。
恐怖に押しつぶされて、声も出ない。
息も上手にできない。
数年前のあの日の出来事がフラッシュバックする。