一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを



注文がある程度落ち着いて休憩に入ると、入れ違いにホールで一緒だった先輩に声をかけられた。


隣町の大学に通う女子大生。


大人の女性って感じでとっても綺麗な人。



「ねえねえ、ちょっと聞きたいことあったんだけど」



聞きたいことってなんだろう?



「ひょっとしてあの子って、瑠莉ちゃんの彼氏?」


「ふぇっ!?」



びっくりしすぎて、変な声が出た。


先輩の指さす方向は、コーヒーを片手に外を眺めていた琥珀くんの姿がある。


あの子というのは、琥珀くんのことだろう。


確かにあんな騒ぎがあって、おまけに慰めてくれようとハグしてくれたシーンを見られていたわけだから、勘違いされても仕方がない。



「ち、違いますよっ!」



しつこい2人を追い払うために“俺の彼女”なんて発言があったけれど、それも嘘な話。



「えぇーっ、さっきの2人すごくいい雰囲気に見てたのになぁ」


「そ、そうですか?」



恐る恐るそう聞くと、先輩は大きくうんうんと頷いていた。





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