一途なイケメンくんととろけるくらいに甘いキスを


.

「お待たせ、琥珀くんっ」



アルバイト終わり、本当に琥珀くんは待ってくれていた。



「おう、バイトお疲れ」


「ありがとう」



どうしてわざわざ待っててくれたのか聞きたいけれど、先輩の言葉が忘れられなくて、琥珀くんと上手く話せない。


何を話したらいいのかわからない。



「あの、どうして待っててくれたの?」



勇気を振り絞って、私の隣を歩く琥珀くんに聞いてみる。


琥珀くんはいつも歩くのが早いのに、私の歩くスピードに合わせてくれている。


些細なところから優しさが滲み出てる。


琥珀くんのいろんな一面を知った私には、なぜ琥珀くんがみんなから怖がられているのかわからない。


見た目がちょっと不良っぽく見えてしまっているだけなのに。



「話があったんだ」


「……話?」



改めてそう言われると身構えてしまう。


琥珀くんからのお話ってどんなお話だろう。





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