高嶺の社長と恋の真似事―甘い一夜だけでは満たされない―



「俺のこと、好きだって言え」

私にしか聞こえないような、抑えた声量で言われる。

そういえば……今日はまだ言っていなかったかもしれない、と散々与えられた快楽のせいでぼんやりしている頭で思う。

上条さんに触れられるのが怖いと思う自分に気付いてから、無意識に言わなくなっていたのかもしれない。

「好き、です……上条さんが、好き」

もう何度も伝えてきた想いを、しっかりと目を合わせ告げる。
そんな私に、上条さんは満足そうに微笑み……そして、キスする直前。

「おまえは、怖がらずただ俺に愛されていればいい」

そう言ったのだった。




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