モテすぎる先輩からめちゃくちゃに愛されたい
なんなんだよ本当。

あれきり莉愛の顔が頭から離れなくて、もはや睡眠不足。


俺の睡眠時間返せよって言いたいぐらい。



「悪りぃ、聞いてなかった。なに?」


「もー…ちゃんと聞いてよね!覚えてるでしょ?昔にあたしが渚のこと守るって言ったの」


「あーそんなこともあったっけ」



昔の記憶なんか俺が覚えてると思うか?ふつう。

早く忘れ去りたいぐらいに良いことなんて1つもなかった。


親父が不倫して…母さんが死んで…散々だったから。



あれ以来親父は更生してまっとうに生きてるけど、俺は許すつもりはさらさらない。

更生するぐらいなら最初からやれよって思うし、もう死んだ母さんが戻ってくるわけじゃねーんだよ。



「だーかーらー聞いてる?」


痺れを切らした朱里が、俺の目の前に立ち塞がる。



「…なんだよ」


「好きなの!渚が。……あたしと付き合ってほしい」
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