モテすぎる先輩からめちゃくちゃに愛されたい

やっぱり運命は残酷


ずっと幸せかと思ってた。

渚先輩への気持ちを再確認して、また前みたいに隣にいれるかと思ったのに……



神様は不公平だ。


幸せな瞬間はとことん与えるくせに、いざと言うときには地獄に叩き落とす。



ほんとう意地悪な神様だよ。


涙で顔がグチャグチャで、その雰囲気を味わらせるみたいに部屋の空気も乾いて暗い。



•••遡ること数時間前。


今日は12月20日。

渚先輩の誕生日から2日が経った今日、わたしは婚約解消のお話をしようと蒼井くんの元を訪れた。



蒼井くんのお家は私の家よりも大きくてすごく立派。



執事の方が部屋まで通してくれて、今は蒼井くんと2人きり。


ここに来ると少し気が弱くなるけど私の気持ちはもう揺らがないから。



「急にどうしたの?莉愛ちゃんがウチに来るなんて珍しいね」


飲んでいたコーヒーのカップを机に置いて、私に尋ねる。
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