エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい


反対しているかと思っていた宗一郎は、心から祝福してくれているようだ。
優杏はホッと胸を撫で降ろした。

食事がすむと、宗一郎はその日は泊まらずに福岡へ帰ると言う。

「じゃあ、最終の飛行機に乗りたいからこれで失礼するよ」

「お忙しいのにありがとうございます。これからよろしくお願いします」

優杏が素直に感謝の気持ちを伝えたら、宗一郎はニヤリと笑った。

「優杏さん、息子がなにかしでかしたら私に直接報告してれたまえ」
「はい!」

息子の告げ口をしてくれて構わないと優杏に許したのだ。

「父さん、余計なことを……」

「近いうちに、郁杜にも婚約の報告をしろよ」

父親としては、まだ独身で結婚する気配すらない長男より先に
次男が二度も結婚することを気にしたのだろう。

煌斗は渋々、『わかったよ』とだけ返事をしていた。

< 128 / 203 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop