エリート御曹司は独占本能のままにウブな彼女を娶りたい


優しい父親、明るい母親、可愛い妹。
リビングは心地よく整えられていたし、キッチンからはいつも手料理や菓子を焼いている匂いが漂っていた。
悠慎の家には、誰でも温かく迎えてくれるような雰囲気が溢れていたのだ。

季節ごとに花が咲き乱れたイングリッシュガーデンは絶好の遊び場で、
時には草花を踏んでしまい、おばさんに叱られたものだ。

北側の庭は広くて、一面に芝が植えられていた。
俺たちがサッカー三昧だったから、おじさんがわざわざゴールまで設置してくれたぐらいだ。

サッカー部の誰が言ったのか忘れたが、
『ここは楽園だな』という言葉を今も覚えている。
俺じゃあなくても、あの家には入り浸りたくなっただろう。





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