OL 万千湖さんのささやかなる野望
「だがまあ、俺は家を買うこと自体は、やぶさかではない。
 お前の親は買わないようだが、お前ひとりで900万出せるのか心配しているだけだ」

「そうですねー。
 貯金をはたいて、あとはローンで……」

「……じゃあ、そのローン分出しておいてやるから、俺に返せ」

「えっ?」

「利子分、無駄だろ。
 結構な金額になるし」

「いえ、そんな申し訳ないですっ」

「心配するな。
 毎月、キッチリ集金するから」

「いや~、申し訳な……」

「申し訳ないとかもう言うな」

 俺は際限ない遠慮と不毛な会議が嫌いだ、と駿佑は言う。

「で、では、家を二人で買う方向でっ。
 なんだかお祝いしたくなってきましたっ。

 やっぱり、シャンパン開けますか?」

「……帰れなくなるだろうが」

 そう言う駿佑を間近に見つめ、
「いいじゃないですか」
と万千湖は言った。
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