好き 2
許嫁
「花嶺さん。」
「深雪でお願いします。」
「そうですか。では・・・深雪さん、貴方は何故僕に自己紹介する時に【はじめまして】と言わなかったのですか。」

来た。絶対聞かれると思った。
基本、自己紹介とか初対面の人には、はじめまして。と始めるのが流れだろう。
でも私は、『花嶺深雪です。こちらこそ宜しくお願いします。』と言った。

「なぜ【はじめまして】と言わなければならないのですか?」
「僕らは、初対面では?礼儀として・・・ね。」
「天埜君は、【はじめまして】では無かったからです。」
「おや。僕達は対面してない気がしますけど。」
「あら。そんなに私に言ってほしいですか?」
「ええ。ぜひ。」
「良いですよ。そこまで仰るのなら。私が貴方に【はじめまして】と言わなかった理由。なぜなら、貴方は私のーーー。」
< 23 / 93 >

この作品をシェア

pagetop