好き 2
転校

〜翌日〜

まだ太陽が見えないが、今の時刻は午前5時。
結構良い時間だ。
着物からいつの間にか用意されていた制服に着替える。
イギリス風の制服。上着とシャツは白。
ネクタイとスカートは黒。
スカートには白のラインが入っている。
見覚えがある制服はなんだかオーラが強い。
制服に腕を通すと、なんだか自分が自分でないような・・・そんな感じがした。
遥輝君は、今頃何してるんだろう。
まだ寝てるのかな?
朝ごはんを食べているのかな?
歯を磨いているのかな?
顔を洗っているのかな?
離れ離れになっても、貴方のことは忘れられない。
いつか、また会いたい。
わがままだな。
こんな自分は、嫌だ。

「深雪。起きてる?そろそろ朝食だよ。」
「ん。今行く。」

襖越しに声をかけられて、すぐに立ち上がる。
布団をきれいに畳んでっと。

「おはよう。零。」
「おはよう。深雪。調子は?」
「特に。」
「良かった。その制服姿を見るのは久しぶりだね。よく似合ってる。」
「・・・ありがとう。」
「学校には車で向かうから。朝食が終わってからゆっくりする時間はあるから安心して。さて。行こうか。」
「はい。」
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