【完】再会した初恋の彼はチャラくて、イジワルで、ときどき優しい
「……覚えてる」




「その言葉教えて。ずっとそれが思い出せなくて。…稲葉くんはあの時、なんて言ったの?」




「それは…」





「ハッキリ言ってよ…!」





そこまで言っといて黙らないでよ。





「小鳥遊さん、稲葉くんそろそろバス出発するから準備して」





千田の声がしてこの話はそこで終わってしまった。





バスに乗り込んでからの二人は学校に黙りっぱなしでいた。





結局告白も出来なかった。





まだ口に感触が残ってる。あの時稲葉くんはどう思って私にキスしたんだろう。





少なくても私はあのまま稲葉くんとキスしていたい。そう思った。
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