【完】再会した初恋の彼はチャラくて、イジワルで、ときどき優しい
黙々と昼食を食べて、お弁当の蓋を閉めてようやく話が進んだ。




「それで話って?昨日のこと?」




唐突に昨日のことを言われたら心臓に悪い。胃まで驚いちゃったじゃない。




「いや、違くて…!実は中学の頃のグループメッセージからクラス会をやるって昨日きて。参加するつもりなかったんだけど、水谷くんが勝手に決めて…参加することになったんだ。それも半分脅してきて」




「なんて言われたんだ?」




一瞬で稲葉の声色が変わった。雅が水谷のことを口にする際はいつもうつむいて話すのに間が空く。





その少しの変化を稲葉は逃さず、雅のことを第一に考えるように頭の中を切り替えた。





「中学の時みたいに逃げたら、今の姿を皆に話すって………」





不思議。稲葉くんに話いる時は冷静にいられる。さっきまで水谷くんの話をするとなっていたら怖くて心臓がバクバクしていたのに。





真剣に向き合って受け止めようという気持ちが稲葉くんから伝わってきてるような、そんな気がする。





「最低だな。試合に負けたの根に持っているのか?」





「そうみたい。ほんと小さい男だよ。背は稲葉くんみたいに高いのに」




こんな冗談みたいなことも話せるほど。




「コラコラ。あまり人を比べるな」
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