私、拾われました!
まだ、家を出てから一週間も経っていない。



しかし、生まれ育ったボロアパートを目の前にすると懐かしさを感じるから不思議だ。



ドアの前に立つと、インターフォンを押した。



騒がしい足音が聞こえ、ゆっくりと扉が開く。

空いたドアの隙間から見えたのは、少しふっくらした母親の笑顔。

ふっくらしただけじゃない。



目立っていた白髪も綺麗に染められているし、今まで着ていたよれた服もそれなりに良い物に変わっている。
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