あやかし戦記 奪われた愛の形
ダイダラボッチが本当に人を愛していたのか、それはフジとダイダラボッチにしかわからないことだ。だが、妖の表情を見ていたイヅナには、本当にそこに愛があったのだと感じている。

「ハッピーエンドだね」

アレンが言い、イヅナはハッとして「皆さん、ありがとうございます!」とお礼を言う。

「問題ない。いい訓練になったぞ」

チターゼがそう言い、エイモンも「そうだよ。この妖を救えてよかった」と言いながら式神を出す。無事に救えたと報告するのだ。

「……天国で二人が逢えますように」

岩になったダイダラボッチをそっと撫で、イヅナは呟く。瞳から一筋の涙が零れ落ちた。



数時間後、全員がハナエの家に集まり、作戦のことを夕食を作りながら話す。もう外は夕焼けが輝いていた。

「ずっと踊り続けて疲れたよ〜」

ギルベルトが腰をさすりながら言い、チェルシーも「そうね。一体何曲踊ったかわからないくらい踊ったもの」と返す。そんな二人に「お疲れ様です」とイヅナたちは声をかけた。
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