禁忌は解禁された
「監禁はないよ……」



「「はぁぁ!!?監禁!!?」」
颯天と銀二がハモる。



「━━━━━へ!?私、なんか言った?」

「監禁ってなんだよ!?」

「え?そ、そんなこと言ってないよ」

「姫、今はっきり“監禁”っていいましたよ!」

「だから!言ってないよ!」

「いや、俺も聞こえた」
と、辰之。
「確実に!」
と、陽大。
「誰かに、監禁されそうになったんすか?」
と、槙雄まで言ってきた。

「何の話だよ!言え!!」
「ちょっ…颯天、怖い…」
「姫、白状してください!」
「銀くんも、やだ…」

颯天と銀二に詰め寄られる。

「二人、こえーよ……」
辰之がビクッとして言う。
「おい、二人を止めねぇと、一颯さんが……!」
「でも、こえーよぉー」
陽大と槙雄も、怯えている。

「でも話の流れからすると、その彼氏だよな」
「確かに!今、銀二さんの騎士の話してたし」
「じゃあ…その彼氏が銀二さんに嫉妬して、監禁しようとしたっつうこと?」

「あ?その彼氏って……」
「まさか……!」

「「暁生か!!?」」


「「暁生!!」」
その足で屋敷に帰った一行。

颯天と銀二は、暁生の部屋に乗り込んだ。

「辰之くん達は、もう…休んで。
ごめんね、せっかく遊びに来てくれたのに……」
一颯が辰之達三人を、別の部屋に誘導する。

「いえ…」
「一颯さんも、大変っすね…」
「颯天、銀二さんにあんな…」

「私は大丈夫。結局私は……一人じゃ生きていけないし…」

「颯天があんなに支配欲強いの、びっくりしました」

「え?」
「颯天、スゲーモテてたから。
高校の時なんか特に…!
だから、女に困らなかったってゆうか……あんな執着する奴じゃなくて……
でも、一颯さんには凄い溺愛してるってゆうか……それこそ、禁忌を犯そうとしたし……」

「そっか……」
「銀二さんも、凄いっすよね」
「え?」
「なんてゆうか、一颯さんを本当の姫みたいに囲って守ってるってゆうか……」
「そうかな?」
「なんか、颯天と銀二さんって似てますね!」

「え?」
「なんか、わからなくもないけど!」
「え?え?」
「確かに~」
「へ?」
「俺も、束縛するかも!」

「あの、みんな、何を?」

「まぁ、一颯さんが魔性の女っつうことですよ!」

「えーー!!」

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