【完結】橘さんは殺された。


「え、ウソだろ……」

 ウソだろう……。まさか、まさかーーー。

「恐らく橘智夏に性的暴行を加えて殺害した可能性が高いのは……この二人だろう」

「……そんな……」

 信じられない……そんなの、信じられない……。
 ウソだと、信じたい……。でもーーー。

「……なんで、なんでだよ!」

 俺は裏切られたことがショックで、そしてものすごく腹が立った。
 そして、ただただ唇を噛みしめるしかなかった。

「……藤嶺、だがな、まだこの二人が殺したという証拠がどこにもない。今のは単なる憶測でしかない。……だからこの二人が本当に犯人なのかどうかを確かめる必要がある」

「……はい」

 俺が……俺がずっと求めていた犯人がついに見つかろうとしている。
 でも……それは結局、俺達の憶測でしかない。本当に犯人なのか確かめる必要がある。
 
「……もしそうだとしたら。本当に、もしそうだとしたら……」

 ーーーなんて残酷なんだ。

 なあ橘さん。 橘さんの殺した犯人は、本当にこの二人なのかーーー?
 頼む。教えてくれ、橘さんーーー。

 七年経った今、この事件が一歩ずつ、一歩ずつと進展を迎えている。
 だが、この事件の結末はーーー。

「……なんでだよ」

 俺も、そして同級生たちも、想像もしてなかった結末になるだろうーーー。 
 そしてこの結末が、俺にとって思わぬ方へと動いていくことを、俺はまだ知らないーーー。




◇ ◇ ◇
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