【完結】橘さんは殺された。

 
 それから数年後ーーー。


「マルタイ発見!駅の方に向かってます!」

「瀬野、了解!」

「俺は東口から追いかけます!」

 俺はついに目標だった、捜査一課の刑事になった。 捜査一課に配属された俺は、殺された橘さんの無念を晴らすために刑事になることを決めた。
 大事なクラスメイトを殺された。好きだった人を殺されたから、その無念を晴らしたいと思ったからだ。

 橘智夏を殺した犯人をこの手で捕まえたい。そのために、俺は刑事になった。
 橘さんを殺したのは、誰なのか。それを知るために、刑事になったんだ。

「マルタイ発見!」

「もう逃げられねぇぞ!観念しろ!」

 俺は凶悪犯罪の犯人を日々捕まえている。少しでも凶悪犯罪を減らしたいと、そう思っている。

「マルタイ確保しました! 15時40分、殺人未遂の現行犯で逮捕する!」

 バディを組んでいる瀬野さんが、犯人の手首に手錠をかけた。

「ったく、手こずらせやがって……。藤嶺、連れてけ」

「はい」
  
 犯人を警察車両に乗せた後、車は署へと向かった。

     



「お疲れ、藤嶺」

「瀬野さん、お疲れ様です」

「今日は大活躍だったな、藤嶺」

「恐縮です」

 捜査一課に配属されてはまだ数ヶ月しか経っていない。
 でも瀬野さんの背中を見て、俺はカッコイイなと思っている。
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