1ページホラー夜の章
ホーホーホッホッ
ホーホーホッホッ

これは大学生のAさんが体験したお話。

AM0:00。

いつもこの時間に鳥が鳴いている。

ホーホーホッホッ。

こんな鳴き声の鳥だ。

朝鳴いているのはよく聞くがこんな真夜中、同じ時間に鳴いているのはおかしい。

もうこの鳥が来て1週間になる。

どこにいるのか外を見ても姿は発見できない。

ここは田舎なので私が住む5階のこの部屋ならわかるはずだと思った。

始めの3日位は気にしなかったが、最近は規則的に鳴く鳥を一目見てやろうと躍起になっている。

声の発生源は割と近いと思うのだが、電線や木を見ても鳥なんていない。

そんなこんなでもう1週間たった夜、私はついに発生源は見つけた。

サークルでの飲み会で終電間近になった。

時刻は0:00になる所だった。

それは私の住んでいるアパートの通りにいた。

虚ろな目をして私のアパートの方を見ながら「ホーホーホッホッ」と声を上げているおじさんだった。

もう冬なのに、首元がよれているTシャツとシミが付いているハーフパンツにサンダルで電柱の影で鳥のマネ声をしていた。

私はその変質者に気づいてそばにある公園の茂みに隠れた。

男は5分位して鳴き真似を止めると「今日は留守かぁ」と大きな独り言を呟いて去っていった。

私は茂みで震えていた。

それ以降、声が聞こえても外には出なくなった。
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