辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
「まだ解毒しきれていないようです。これを。飲めますか?」
ティーカップのようなおしゃれなものはないので、湯呑を見せると、彼はゆっくりと身体を起こした。

「ありがとう」
きちんとお礼を言える人ならば、それほど悪い人ではないのだろうか。
ゆっくりと湯呑の中身を飲み干すと、それを私に返そうとして手を伸ばしたその瞬間、いきなり持っていない方の手で引き寄せられた。

「フェリーネ。いくらなんでも無防備すぎないか?」

「なにを!」
まさかそんなことをされるとは思っていなかった私だが、射抜くような瞳に視線が外せない。

髪と同じシルバーブルーの瞳が、何を伝えたいのかがわからない。

「どういう意味でしょうか?」
内心バクバクと心臓がうるさいが、それを隠すように言うと、アレックスさんは小さく息を吐いた。

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