辺境に追いやられた伯爵令嬢は冷徹な王子に溺愛される
しかし、グレッグの「仲睦まじそうでした。そして町の噂では、旅人をいつもたぶらかしていると……」その言葉に、確かめに行きたかったが体の自由はなく、ただベッドの上で時間を過ごすしかなかった。
初めて嫉妬という言葉を知ったかもしれない。まさかフェリーネが? そんなことを信じたくはなかったが、グレッグの報告は詳細で、自分自身も絶対にフェリーネのことをすべて知っているというほど、月日を過ごしていない。
まともに動かない体に、フェリーネが他の男のものになったという事実は、今までよほどのことでなければ心が動かなかった俺だったが、かなりのダメージを受けた。
少しずつそのベッドで過ごす時間の中で、俺は段々と悪いことしか考えられなくなっていった。
王子でもなく、その辺の行きずりの男を待つ女などいるはずがない。所詮、俺はこの身分だけが人間の価値かもしれない。
重傷を負った時だったこともあり、俺は自暴自棄になっていた。
その後、身体が戻ってからも自ら危険な場所へと赴く俺に、とうとう縁談の話が持ち上がった。
妻を娶り子を成せば、危ないことをするのをやめると思ったのだろう。