ひねくれた純愛 アイリスとカーライル

研修について


<研修の日々>
「君の技術は問題ない。
追加研修の必要はないだろう。
教官の補助作業をしてもらいたい。
また、私の書類の整理、入力仕事もある」
教授は視線を合わさず、小声で言った。

「わかりました。補助作業をやります」
書類仕事より、体を動かすほうが
俺には会っている。
取りあえずラングレーの助手を
やることになった。

次の日は、
教授の出張のお供だった。
研修所の本部施設での
講義と会議があるという。

てっきり車の運転かと思いきや、
列車移動だ。
「車だと、書類や本を読もうとすると、酔ってしまう」

教授の指示があったので、
俺は本や書類のつまった重い鞄を持たされた。

本部施設に到着すると、俺は待機だ。
何もすることもない・・・・・

「この辺で、昼飯を食べるところはあるかな?」

受付の30半ば過ぎの女に、
俺は笑顔で聞いた。
「ええと、あなたはハミルトン
先生の研修生の方・・・?」
「ああ、今は待機なのでね。
終わるまでは自由なんだ」

中年の女は笑って、
「それでは案内するわ。
少し先にレストランがあるから」
「それは助かる。
美人と一緒でうれしい。
俺はアレクだ」
「ミリーよ。イタリアンでいいかしら?」

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