クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
「デーセオ、さま?」

 ぐはっと心の中でデーセオは血を吐いた。この一言はボディーブローのようにじわじわとお腹の底から効いてくる。

「デーセオさま、どうかされましたか?」

 あまりにも可愛すぎて嬉しすぎて、デーセオの顔はもちろんにやけている。だが、それでも言葉にならない言葉を口にして悶えているデーセオをレーニスが心配しているのだ。

「これは、不可抗力だ。お前が可愛すぎるのが悪い」
 デーセオは軽々と隣の新妻を抱き上げてしまうと、そのまま寝室へと向かってしまった。
< 242 / 318 >

この作品をシェア

pagetop