クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
 そして、国境という場所柄のおかげか、書庫にある書物は自国のクレイデル王国が発行したものだけでなく、隣国のサライトのものもあった。
 そもそもデーセオの呪いは隣国の魔術師にかけられたもの。それが進行性の呪いということは、呪いの種類がある程度限られてくる。このメランド城に代々住んでいた者は勉強熱心だったのだろう。

 何よりも飛竜の繁殖に力を入れている場所だ。飛竜の繁殖には魔力が必要であり、そのためには竜騎士だけでなく魔術師の力も必要であると、ティメルからも聞いていた。だから彼は魔術師でありながらも、デーセオの部下としてここに留まっているのだ。

 レーニスはその薄暗い書庫へ来ていた。この城内にいる限り、レーニスの命を狙うような者はいないのだが、それでも書庫の出入り口にはサンドラと、それから心配性のデーセオによって竜騎士部隊から既婚者の竜騎士を護衛としてつけられている。

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