クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
「で、腹を割って話すような内容とはなんだ?」
 ふてぶてしく腕を組んで足を組んだデーセオは、相手が国王であるにも関わらずそんなことを口にする。

「結婚の馴れ初めとかかな?」

「誰が話すか」
 と顔中を真っ赤にしたデーセオであるが、すでにそれだけで国王は彼の気持ちというのをなんとなく察したので、これは後で彼をいじるためのネタの一つにしておこうと思った。
「君が教えてくれなくても、そこの君の優秀な部下から根掘り葉掘り聞くから、いいや」
 恐縮です、とティメルが頭を下げたため「お前は黙っていろ」とデーセオは威嚇する。ティメルにとっては、主から受けるそのような仕打ちはパワハラでもなんでもなく、いつもの照れ隠しということを理解している。

「それよりな、俺もお前に聞きたいことがあったんだ」
 と言うそれは、国王に向かって言うような口調ではないのだが、それを不敬であるとかなんとかとこの国王は言わない。
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