クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
「わ、わかった。お前を困らせるようなことは、二度と口にしない」

「絶対ですよ」
 やっと顔をあげてくれたレーニスは頬を膨らませたままである。これは完全に怒らせてしまった。

「お、お茶でも飲むか? その、俺が淹れるぞ?」

「そうですね。旦那様にお茶を淹れていただくのも、たまにはいいかもしれませんね」
 と言うレーニスはもちろん怒っているようだ。
 デーセオはそんな可愛い妻から離れたくはないのだが、彼女のご機嫌をとるためにお茶を淹れてみることにした。何を隠そうとも隠しきれていないため、恐らくレーニスは知られている。この男、一人でお茶を淹れたことがない男。

「レーニス。すまない。お茶の淹れ方がわからない」

「まぁ。お茶を淹れ方もわからないなんて、恥ずかしい旦那様ですわね」
 と言う彼女は、楽しそうに笑っていた。
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