棗くんからは逃げられない

手当てしてあげただけです


「ううぅ……暗い…」

高校からのの帰り道、半ば泣きそうになりながら夜道を歩く


いつもはこんなに遅くならないんだけど、臨時でサッカー部のマネージャーしてたから…!


なんでこんなに遅いのに送ってくれないのよ……、と心の中で文句を垂れながら気を紛らわそうとする



「ぅ……」

「ひえっ!?」

うめき声が聞こえた気がして、悲鳴が漏れる


怖い怖い、暗いの怖い…!


「………ぁ…だ、だいじょ、ぶ、です…か?」

暗がりの中、人が倒れているのを見て、思わず声をかける


「っ…!」

恐る恐る近づくと、頬から血が流れていて目を見開く


「あ、あの」
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