偽装結婚の行く末
何か言ってくると思ったのにあたしの目を見つめて無言。
え、どうしたらいい?あたしに何を求めてんの?


「何か言ってよ」

「は?美優が何か言いたげだから話聞いてやろうと思ったんだけど」


なんだ、それならそうと言ってくれたらいいのに。
久々に会ったからか、昴の醸し出す独特な空気感にまだ慣れない。


「あのさ、いったいどこに向かってんの?」


とりあえず答えてくれなかった疑問を投げかけてみた。


「今月末に起業家パーティって名前のマウントの取り合いがあるから美優を連れていこうと思って」

「き、起業家パーティ!?」


そんなのあるんだ。
改めて昴とは住む世界が違うと思った。


「俺、そこに来るメンバーで気になる人がいてさ。仲良くなりてぇなって思うけどそこにあの女が来るんだわ」

「あの女って……昴と結婚したいっていう人?」

「そうそう、だから美優、当日にそいつの気を引いてくれない?」


それは……無理難題では?
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