内緒の出産がバレたら、御曹司が溺甘パパになりました
 その後ガミガミと説教されたのは言うまでもない。

「それで、これからどうすんの?」

 晴太を抱いた守が、首だけ私に向ける。

「別に。帰るよ? 弁護士さんは疑ってる感じだったけど、私は無実だし」

「そっちじゃなくて、晴だよ。悠さんの子なんだろ?」

「あんたさ、誰かに聞かれたらどーすんのよ、やめて」

「聞かれねえよ俺の部屋だもん。なあ、悠さんが家を出たんじゃ別にいいじゃん。結婚しちゃいなよ」

「それはない。悠はシルKUに必要な人なの。悠だってお見合い重ねれば、いつかは好きになれる人と会えるわよ」

 それに悠だって、黙って消えた私を許してくれないと思うし。

「なに言ってんだよ。それを決めるのは姉ちゃんじゃなくて、悠さんだろ」

 うっ……。
 守のくせに、ときどき鋭いから困る。

「弁護士にバレるか、悠さんにバレるのが先か」

「もうやめてよ、不吉な。そもそも悠の子だとは言ってないし。勝手に決めないで」

 ハハッと守は笑う。

< 121 / 158 >

この作品をシェア

pagetop