クールなご主人様は溺愛中
「あれ、どうしたの......?」


「あー、これ着てろ」


そう言って渡してきたのは、冬夜くんが羽織っていた半袖パーカーだった。


「え、なんで......?」


ん、もしかして......?


何となく、嫌な予感がして自分の胸元を見てみる。


「......ごめんなさい」


透けていた。


「別に。気をつけろよ」


「うん」


ありがたくパーカーを受け取って、前をしっかり閉める。


濡れちゃうけど、いいのかな......。


2人で並んで帰ると、冬夜くんがすぐにお風呂のお湯を張ってくれた。


「風呂、入っとけ。風邪ひくぞ」


「うん。ありがとう。
あっ、パーカー濡らしちゃってごめんね」


「いいよ。どうせ洗うやつだし」


素っ気ない言い方だったけど、優しさが伝わって嬉しかった。
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