クールなご主人様は溺愛中

届かない恋

「里奈ちゃん、クリスマスだね」


「そうだね」


1週間後は、クリスマス。


そしてその日の前にクリスマスに入る。


「順調?バイト」


「うん、柴崎さんのおかげで何とかなってるよ」


私は、最近バイトを始めた。


1ヶ月だけ、冬夜くんにクリスマスプレゼントを渡したくて。


「冬夜くんとは、どこか行かないの?」


「......行かないでしょ」


冬夜くん、最近忙しそうだし。


夜食を持ってくと食べ終わって話してるうちに寝落ちしちゃうくらい。


私も忙しいから、2人でゆっくり話すことが減ってる。


「れんげちゃんは?行かないの?」


「忙しそうだもん、誘えないよ」


私たちは、メイド。


立場が違うってわかってるからこそ、気軽に誘うこともねだることもできない。


「はあ......」


ため息に釣られそうになるけど、何とか飲み込む。


「里奈ちゃん、私、誘ったらダメかな」


「......いいと、思うよ」


れんげちゃんは、ずっと家族同然で育ってきたみたいだし。
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