クールなご主人様は溺愛中
「もう会わないって、なんで、突然。俺の事、嫌いになった?」


......ここで、正直な気持ちを言ってはいけない。


嘘を、つかなきゃダメだ。


「......うん」


絞り出すような声に彼が息を呑んだのがわかった。


「そうか」


そう言うと、冬夜くんは私の部屋から出ていった。


ドアが閉まると同時に涙が頬をつたる。


「ふっ、ううっ......」


とどめなく溢れてくる涙と嗚咽は、一晩中続いた。
< 212 / 268 >

この作品をシェア

pagetop