クールなご主人様は溺愛中
「わ! ペンギンだよー」
悠くんと隣に並んで歩いてると、目に止まったペンギンの行進。
「可愛いね」
「うん! 可愛い」
悠くんの言葉通り、私は楽しんでいる。
もちろん、心から本当に。
「里奈ちゃん、あれ」
悠くんが指さした先には、イルカが泳いでた。
「わあ!」
ジャンプしたイルカはそのまま水の中へ潜る。
水しぶきが太陽に反射してキラキラと輝いていた。
「よかった」
それに見とれていると、悠くんが急に言う。
「え?」
「里奈ちゃん、最初はすごく思い詰めてるように見えたから。
今は、そんなふうじゃなくなって、安心した」
「そっか......」
私、そんなふうに見えてたんだ。
「さあ、イルカショーへ行こう」